業務実例

北信州野沢のご住職様が惚れた「塗り」

艶やかに深く黒漆の美しさを湛える『呂色仕上げ』は漆工芸の最高峰である。

野沢菜発祥の地として有名な薬王山健命寺
こちらのご住職様よりご依頼をうけ、香合を本漆塗り、仕上げは呂色仕上げに施しました。

この香合(下写真)は、螺鈿(ラデン)塗りという貝殻の真珠色に光る部分を磨き、加飾した工芸技法も用いられており、呂色と螺鈿の2つの光沢が大変美しい一品です。

匠が本漆本白檀塗りで仕上げた後門柱がきっかけ

初めは本堂の奥にある後門柱の塗り直しのご依頼をうけ、こちらが次の依頼を賜るきっかけとなりました。

本漆塗りなど、手に取り、目にすることの多いご住職様ですが、こちらを仕上げた漆塗り職人 亀山さんの本漆本白檀(銀箔)塗りをお気に召され、以後もお付き合いが続いております。

 

お付き合いが続く中で、このようなものもご依頼いただきました。硯箱です。

 

幾重にも重なる伝統技法により生まれた唯一無二の硯箱

通常は紅松などが使われる木地に木曽檜を用い、先にご紹介した香合と同様の螺鈿塗りを施しているのですが、こちらの硯箱は螺鈿塗りの前行程でもうひと技工加えております。それが詰梨地(つめなしじ)と呼ばれる蒔絵の技法です。

梨地とは、漆で塗られた木地の上に金・銀・錫などの梨地粉を蒔く技法で、蒔き具合によって名称が異なります。梨地粉をすきまなく蒔いたものを『詰梨地』といいます。

ご住職様より、名のある方の硯を入れる為、それに相応しい硯箱をというご注文を受け、このように幾重にも技法を織り交ぜ、格調高い仕上がりとなりました。

本漆の美しさ、蒔絵の緻密さ、七色を放つ螺鈿細工、呂色の深み、そのような先人のあみだした技法を余すことなく味わうことができるのも、今もそれを受け継ぐ腕のいい職人さん達がいてこそです。

 

ひとつひとつご要望にお聞きしながら、そういった職人さん達と密にやり取りをし、商品をご提案、ご提供して参ります。

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